筋再生適応学研究室の古市です。10月8日〜10日にパシフィコ横浜で開催された BioJapan 2025 に、本学域・筋再生適応学研究室が出展しました。
BioJapanは「再生医療JAPAN」「healthTECH JAPAN」との同時開催による国内最大級のパートナリングイベントであり、国内外の企業・研究機関が一堂に会し、最新技術の紹介や共同研究のきっかけづくりが活発に行われました。
本研究室は首都圏ARコンソーシアムのブースにて、筋芽細胞移植の高定着化を目指した再生医療技術 を紹介しました。さらに、プレゼンテーションステージでは下記のテーマで講演を行いました。
講演情報
日時:10月8日(水)12:40〜13:10
演題:「筋芽細胞×ECMで拓く、高定着・高効率な骨格筋再生医療」
講演者:古市 泰郎(人間健康科学研究科 ヘルスプロモーションサイエンス学域・准教授)
筋再生適応学研究室では、骨格筋の適応と再生の機序を分子レベルで研究しています。今回紹介したのは、細胞移植による再生医療の新しいアプローチで、細胞外基質(ECM)を用いることで移植細胞の定着性を高める技術 です。これまで加齢による筋萎縮では、移植した細胞が生着しにくいことが大きな課題とされてきましたが、高濃度ECMを細胞とともに投与することで、組織内で新たな筋線維を形成しやすくなることを見出しています。
まだ研究はスタート段階にありますが、今後は臨床応用に向けて、より効率的な細胞投与法の開発、大量培養技術の確立、生体適合性の高いECM素材の改良など、さまざまな課題に取り組んでいく予定です。
会期中は、再生医療や生体材料の開発に携わる企業の方々から多くのご意見・ご相談をいただき、今後の共同研究につながる手応えを感じました。また、古市不在時には研究室メンバーがブース対応を行い、研究紹介の経験を積むとともに、企業や研究者の熱意に直接触れる貴重な機会となりました。
学生・若手研究者にとっても、社会の中で自らの研究をどう活かしていくかを考える良い刺激になったと思います。
今回の出展を通して、学術研究と産業界をつなぐ橋渡しの重要性 を改めて実感しました。ご支援いただいた関係者の皆様に深く感謝申し上げます。
